2009年7月26日 (日)

日本顎関節学会

 7/25は仕事を半日お休みして日本顎関節学会で自説を発表してきました。以下に要旨を記述します。

患者個々の疼痛閾値の推測の取り組み
 痛みを訴えている割には客観的な症状がさほどでもないと考えられる顎関節症の患者を経験したことから、痛覚の閾値が人により異なるのではないかと考えました。つまり、痛覚の感覚閾値が低ければ、客観的な重症度が高くなくとも強い痛みを訴えるでしょうし、高ければ客観的症状は重症でも軽度の痛みしか訴えないことになります。臭覚や味覚では敏感さに個人差が大きいことが明らかにされていますので、痛覚においても同様であると推測されます。
 そこで個々の感覚閾値を計測できる機器を捜してみたのですが、適当な物が見つからず、通常は歯髄の生死を判定する電気的歯髄診断器に目をつけました。これを健康な歯牙に当てて、弱い電圧から徐々に上げて感じ始めた時の数値を疼痛閾値としました。対象歯としては多くの方で補綴されずに自然の状態で残存し計測しやすい位置にある歯牙ということで下顎前歯を選びました。ただこの診断器は歯髄の生死を判定する物であり、患者のエナメル質、象牙質の厚さの差により電気抵抗が変わり、検査歯牙に与えられる電圧量が一定しないのではないかとの問題もあります。また、被験者に電気を感じたら合図してもらわなければならないので、表現の仕方の個人差でも値が変動するでしょうし、その日の体調・気分でも変化するものと考えております。学会の場を借りて、この分野の研究者の先生方により精度が高い装置の開発をお願いしたいと思います。
 

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2009年6月25日 (木)

臓器移植法案

 臓器移植法案が衆議院で可決したとの報道がありましたが、まだ参議院での審議が残っているので法制化されるのかどうか微妙なところのようです。そんな折り、外国で移植手術を受けた1歳児が亡くなったニュースが新聞に掲載されました.その子には一億数千万円もの募金が集まっていたそうで、手術後の様態が悪いので再手術の必要があり、新たな募金活動をしようとしたさなかに亡くなったようです.すごい話ですね.
 また、数週間前には、7千万円もの募金でドイツで移植手術待ちをしている二十歳前の男性の話が記事になっていました。その方は、そんな大金をいただいて手術を受ける資格が自分にあるのか自問自答していると書かれていました.
 かたや、アフリカで難民活動をしているキャンペーンでは『100円で救える命』とのコピーも目にします。コンゴでは、1,000人の幼児の中で、205人までが5才の誕生日前に亡くなっているようです。
 あまりにも次元が違いすぎて、どう考えてよいかわかりませんが、億の費用をかけて臓器移植したお子さんには、将来的にも、相当な医療費を社会は負担しなければならないことは想像できます.かたや、数百円で救ったアフリカの難民の子は元気に社会に貢献してくれそうです。
 人の命をお金の天秤にかけることはできませんが、かなり不公平な感じがします。どう考えたらよいのでしょうか?

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2008年10月21日 (火)

リスクの高い手術

 もう10年も前から当院に通ってくださっている患者さんが、入院前に歯の手入れをしてほしいと来院されました。来週遠方の大学病院に入院されて難しい手術を受ける予定だそうです。詳しい病状は把握できませんでしたが、脊椎の大手術ということでした。2カ所の大学病院では、手術のリスクが高いので、杖を使う生活は不便でしょうが、現状で我慢したほうが良いのではないかと言われたようです。手術がうまくいかなければ、両足麻痺で寝たきりになる可能性があるとのことです。
 手術して杖なしに生活できるようにしてくださるという担当医も、『ほんとは引き受けたくはないのですが、頑張ってみましょう』と言われたようです。その病院で手術なされて回復された方から紹介されたようですが、担当医はいわゆる『神の手』の持ち主だそうです。
 勇気があると言えるのか、無謀といえるのか、担当医も、患者さんも大変ストレスのかかる事態を自ら招くことをする訳です。すごいですね。自信を持って難しい仕事にチャレンジするには、日頃の研鑽が並みではないのでしょう。

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2007年5月20日 (日)

救急医療ーBLS講習

 5月9日と昨日(19日)に救急医療ーBLS講習を受けましてBLS+AED講習修了証をいただきました。講習の概要は意識が無くなった人に遭遇した場合を想定して、どのようにして人命救助をするかというものです。診療室でもごくたまに緊張のためか、青ざめて意識がうすれる患者さんがおられますが、今回の講習は心肺停止(心臓が機能しなくなり、呼吸が止まった状態)を想定したものでした。
 以前の知識では気道を確保して2回の人工呼吸をしてから15回の心臓マッサージを行うというものでしたが、2回の人工呼吸をして30回心臓マッサージをするように2005年に改訂されたとのことでした。その理由は、局所特に脳に酸素を送り続けるためには、常に心臓のポンプ作用を持続したほうが良いことが実証されたためのようです。もちろん、肺に新鮮な空気を送って、血液内の酸素濃度を上げたほうが良いのですが、そのために心臓マッサージを中止するより少なくなっていても血液中には酸素が残っているので血流を維持したほうが良いのだそうです。
 講習ではAED(自動体外式除細動器)の使い方と、人工呼吸、心臓マッサージの組み合わせのタイミング等も、人形を使って実地に行いました。診療中はこのような状況にならないよう、患者さんの容態には注意を払い、不必要な緊張はしないよう気持ちをリラックスするなど努めていますが、いつどんなことが起こるか分からないのでAEDの導入も考えるべきかなと思いました。

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