日本顎関節学会
7/25は仕事を半日お休みして日本顎関節学会で自説を発表してきました。以下に要旨を記述します。
患者個々の疼痛閾値の推測の取り組み
痛みを訴えている割には客観的な症状がさほどでもないと考えられる顎関節症の患者を経験したことから、痛覚の閾値が人により異なるのではないかと考えました。つまり、痛覚の感覚閾値が低ければ、客観的な重症度が高くなくとも強い痛みを訴えるでしょうし、高ければ客観的症状は重症でも軽度の痛みしか訴えないことになります。臭覚や味覚では敏感さに個人差が大きいことが明らかにされていますので、痛覚においても同様であると推測されます。
そこで個々の感覚閾値を計測できる機器を捜してみたのですが、適当な物が見つからず、通常は歯髄の生死を判定する電気的歯髄診断器に目をつけました。これを健康な歯牙に当てて、弱い電圧から徐々に上げて感じ始めた時の数値を疼痛閾値としました。対象歯としては多くの方で補綴されずに自然の状態で残存し計測しやすい位置にある歯牙ということで下顎前歯を選びました。ただこの診断器は歯髄の生死を判定する物であり、患者のエナメル質、象牙質の厚さの差により電気抵抗が変わり、検査歯牙に与えられる電圧量が一定しないのではないかとの問題もあります。また、被験者に電気を感じたら合図してもらわなければならないので、表現の仕方の個人差でも値が変動するでしょうし、その日の体調・気分でも変化するものと考えております。学会の場を借りて、この分野の研究者の先生方により精度が高い装置の開発をお願いしたいと思います。
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