2009年6月15日 (月)

10年ぶりの来院

0969_4 先日私が五反田の宮田歯科に勤務していた時代に前歯の補綴治療をさせていただいた患者さんが10年ぶりにいらっしゃいました。この患者さんのお母様は、ちょこちょこ検診やら、小さな歯のトラブルで来院されていましたので、娘さんに歯のチェックをしたいので、いらっしゃるよう伝言していただくよう依頼していましたが、やっと来院していただけました。かれこれ、治療してから30年近く経過しているので、予約が入ってから、自分が治療した歯がどのような経過を辿ったのか、いろいろな状態を想像していましたが、結果的にはほとんど問題ない状態でした。これでは、遠いところから出向いていただけなかったのもうなずけます。
 右上側切歯の歯肉が下がってしまい、歯根が露出してしまった以外はほとんど30年前と変わりありませんでした。勤務していた時代のことですので、記録はないのですが、確か、当時数年前に補綴したブリッジをやり直したと記憶してます。ブリッジをしなければならなかった理由は事故であったようでした。きちんと精巧な治療をすれば、同じような経過が得られるのであれば、歯科治療もある意味単純でいいのですが、正直言いまして、自分としては最善の治療をしたつもりでも、種々のトラブルが生じることを多々経験してます。
 悪くなった歯を治療して、機能的にも、審美的にも回復させるのが歯科医の役割ですが、事故で悪くなった歯を治療して再度悪くならないようにするのは、また、事故に巻き込まれないようにすれば良いので比較的容易なことだったのだと思います。虫歯や歯周病で治療した場合は、甘いものをさけたり、歯磨きを治療前のときよりしっかりやる必要があります。治療しなけばならなかった原因を正さなければ、ならないので、患者さんの習慣を変えてもらう必要があります。
 歯並びが悪いのを、治療するには、歯並びが悪くなった原因を探求しなければ、機械的にきれいにしても元に戻ってしまいます.顎関節症は、噛み合わせが悪いのが原因だから、噛み合わせを治さなければ治らないと力説する歯科医もいますが、噛み合わせが悪いのは口の周囲の筋肉の調和が悪いためにそうなった結果であるから、噛み合わせだけを治そうとしても原因療法にはなり得ません。そこが非常に難しい。患者さんにどのように説明したら納得していただけるのか?どのようなアドバイスをすれば、口の周囲の筋肉の調和が保たれるのか?非常に、非常に難しい。

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2009年5月22日 (金)

くいしばりの害

 先日の日曜日(5/17)に東京国際フォーラムで『咬合と力の問題をコントロールする』という演題でシンポジウムが開催されました.私がホームページで警告している『くいしばりの害(http://www.e-ndc.com/Pages/kuisibari.html)』はどのようにしたらコントロールできるのかというテーマでした.
 結論は、ある程度は歯科医の治療方針でコントロールできるが、それを超えてしまうこともあり、患者さんに真剣に自覚していただき、自己暗示などで対応していただくしかないこともあるとのことでした。歯科医側でどんなに精密に人工物を仕上げたところで、睡眠中の無意識に行う歯ぎしりなどの破壊的な力をコントロールすることはできないようです。それぞれの発表はその対応策ではなく、破壊的な力のコントロールの難しさを改めて認識させるようなものだったように思います。
 医療関係のテレビ番組で、卓越した知識や技量の医師を『神の手』と形容し、その特殊な治療技術が紹介されることがありますが、歯科では、この問題がある限り難しそうです。毎日、肩や顎の力の抜き方を何人もの患者さんにお話ししてますが、これから先も続けなければならないようです。
 

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2009年1月19日 (月)

訪問診療

 一昨年来、機会あるごとく訪問診療など高齢者を対象にした歯科の問題に対して取り組んでいらっしゃる先生方の講演を拝聴していますが、18日(日曜日)は静岡県でご開業されている米山武義先生のお話を伺いました。
 米山先生は高齢者、特に口で噛まなくなって久しい方で、口腔機能が衰えてしまった患者さんにどう対応していくかということから、楽しく食事ができることがどれほど高齢者にとって重要であるかをお話しされました。また、厚生労働省からの研究を依頼されたことから、口腔清掃と肺炎・熱発の関係や、自分の歯で咀嚼することが、低栄養を防ぎしいては免疫力の向上に繋がることなど科学的根拠を基にわかりやすく、情熱を持ってお話ししてくださいました。
 米山先生とチームを組んで要介護者の口腔ケアに取り組んでおられる杉山総子歯科衛生士は、ターミナルケアと同じような感覚で、衰退しつつある老後を迎えている高齢者が、いかに豊かな生活をすごしていただけるかお手伝いしたいとお話しされました。『このお年寄りに世の光を』ではなく、『このお年寄りを世の光に』と言い換えるべきだとされました。その意味は、お年寄りが生き生きと生活する姿が、世の中を明るくするということです。使命感を持って仕事に打ち込んでおられている姿勢は感動的でもありました。

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2008年12月28日 (日)

今年の反省

 今年の診療も昨日で終了しました。ことしもいろいろな事がありましたし、いろいろな事をしました。うまくいって当たり前の仕事なので、難しい症例が事前の計画通り収まった時はほっとしてやれやれという感じになりますが、今年も正直言って事前の計画通りいかなく、患者さんにがっかりさせてしまったことがありました。この時期になりますと、そんな事ばかり思い出されて……、……。
 こんな気持ちになる自分(58歳)は、まだまだ成長過程にあるのかなと考えたりして。スケートの浅田真央さん(18歳)じゃないですが、自分に足りない課題が見つかったので、その克服をめざして来年もがんばろう。

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2008年12月26日 (金)

疾病予防と医療費抑制

 疾病予防することにより医療費を抑制できるという議論を見聞きすることがありますが、それは実態に反しているとの意見が、12月26日の朝日新聞に掲載されました。私も、人が長生きすれば総医療費は多くなるのではないかとうすうす考えていたのですが、そんなことを社会保険法の研究者が理論的に解説されていました。いくら健康であっても、ずーっと健康であり続けることは不可能ですから、老人が多くなれば医療費は増大するのはやむを得ません。疾病予防は医療費抑制の面からでなく、quality of life の向上として考える問題なのでしょう。
 とはいうものの、麻生首相の失言のように、健康に気を使いながらせっせと働いている人が納める税金を、節制もせずに病気になり医療費として浪費する人がいるとしたら問題です。やはり、疾病予防することは医療費抑制に貢献するかもしれません。
 

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2008年12月14日 (日)

口腔感染症フォーラム

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 鶴見大学で行われました口腔感染症フォーラムに参加してきました。歯科で取り扱う最も重要な疾患というか、一般的にはそれだけと考えられている虫歯も歯周病も細菌が原因ということは随分昔から分かっているのに、細菌をターゲットにした原因療法より、虫歯や歯周病で失われた欠損の修復に歯科治療の重点が置かれているのはおかしいのではないかと最初の講演者が述べていましたが、同感です。私の診療室においても、以前から予防が重要だと考えて歯磨きが上手でない患者さんには何度も注意してきましたが、多少くどくなっても続けなければとあらためて考えました。
 歯があるかぎり細菌は歯の周りに生息して虫歯や歯周病を引き起こすので、原因療法としてきちんとした歯磨きをする必要があります。高齢になっても、歯が相当数残っている人が多くなってきたことが統計を取る度に明らかになってきていますが、高齢者の適切な歯磨きは歯の健康ばかりでなく、口腔に生息する細菌に因る肺炎などの全身疾患を予防するためにも重要です。『手先を使って器用に歯磨きをするのはボケ防止になりますよ』などと冗談が通じる患者さんには言ったこともありますが、半分本気です。
 これからの訪れる超高齢化時代に、歯磨きがうまくできるかどうかは重要な問題になりそうです。

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2008年12月10日 (水)

歯の神経

 歯肉が腫れたのが主訴で患者さんが来院しました。通常歯肉が腫れるのは虫歯や歯周病が原因なのですが、その歯は虫歯でもなく、歯周ポケットは正常で歯周病でもありませんでした。歯の神経に正常な反応がなく、レントゲン像に暗い陰が認められたので神経を除去したところ、神経は死んでいました(壊死)。どうして虫歯でもなく、歯周病でもない歯の神経が死んでしまったのか、疑問は残りますが、適切な治療を施せば、この歯は正常な機能を持った状態で長く保存できると思います。歯の神経はあったほうが良いのですが、ぜったいなければならないものではありません。私の右下第一第臼歯は小学生の頃神経を取られていまして、その状態で50年経過しています。 
 先日、大きな虫歯があり多少の痛みを訴えた患者さんがいらっしゃいましたので、レントゲンを撮影して虫歯が神経の管に達しているかどうか調べたいとお話ししたところ、レントゲンは撮影したくないとのことでした。妊娠中でもないとのことでしたので、撮影のリスクとレントゲン写真の必要性をお話ししまして納得していただいてから鉛のエプロンをかけてレントゲン写真を撮影しました。その写真では、虫歯が神経の管に達しているように見えました。こんな状況では、その歯の神経を取って神経の管を消毒したほうが良いのではないでしょうかと提案したところ、歯の神経は取るべきでないと聞いているので取らないでくださいと断られました。神経を取らないほうが良いとの情報をテレビか雑誌から受け、神経を取ることが歯を抜くことにつながると考えられているようでした。
 私も、歯の神経は大切なものだし、是非保存したいと常々考えて治療していますが、歯の神経はタフではないので、一度細菌の侵入を受けてしまうと、いくら頑張って保存的な治療を施してもやがては激しい痛みを伴い死んでしまうことが多いことを何度か経験しています。そんな経験をしているのは私だけではないようです。ですので、マスコミ受けをするような、『どんな虫歯でも神経を保存して治療できる。神経を取る歯医者は悪者だ』とアッピールする歯科医の気が知れません。
 『神経は絶対に取るな』『歯は絶対に抜くな』『レントゲンは非常に危険』『フッ素で癌になる』等々脅かして正常な判断ができなくするようなアッピールは止めてほしい。薬は使いすぎれば毒だし、メスは刃物です。匙加減が必要なのです。一番肝心なのは、治療の前の予防です。
 

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2008年8月14日 (木)

クレンチング(DCS)症候群の対応策

 昨年と今年は所属してますスタディグループ火曜会での研究発表をクレンチング症候群の対応策にしましたが、その要旨をまとめた論文を昨日仕上げました。これから出版社に送って校正刷を待つことになります(受理された場合)。多様な自覚症状があるにもかかわらず、外見的にははっきりした兆候も見られず、レントゲン写真などの検査でも的確な診断が下せない症候群を、どのように考え対応策を見いだすか苦心している臨床をありのままに文章にまとめました。論文のあとがきだけを披露させていただきます。

7)おわりに
 DCSの患者さんとお話ししていますと、たまに鬱病の傾向が有るのではないかと思えることが有ります。原野広太郎氏(元筑波大教授)によると(引用23)筋緊張は心身の苦哀を訴える人の特徴的な症状のようです。また、そうなることにより、随意反応する筋が不随意化してしまうと述べられています。今回はスプリントについて私見を述べさせていただきましたが、DCS患者にはDCSの認識をうながし、『口唇を閉じて上下歯牙を接触させない』を実行させるとともに、全身のストレッチ運動など患者の生活様式を考えた理学療法も指導すべきだと考えます。また、接する態度については心の問題を抱えている患者さんも多いことから高圧的でなく、受容・支持・保証を基調とした簡易精神療法に加えて、心に余裕を与えるユーモアのセンスを生活に取り入れるようお話しできればと考えています。(引用24「笑い」の考察)
 平成18年5月に左側の顎関節症で来院した患者に認知行動療法をお話ししたところ、2週間程度で痛みが治まりました。しかしながら、一年後の6月に左側の顎からこめかみまで痛く、目の周りも痛いので眼科に行ったが問題ないと言われたので来たという患者さんがいました。診査したところ前回と同じような症状でしたが、今回は認知行動療法を繰り返すだけでなくミニスプリントを装着してもらいました。そうしたところ、痛みが嘘のようにとれたと非常に喜んでいただけました。今回も、前回同様の認知行動療法だけで治まったとは思いますが、患者さんの喜びようを見ると考えさせられるものが有ります。ちなみに、この患者さんの下顎角は90度に近く、えらが張っていて3級気味の完全なブレキ型でした。スプリントは、重大な副作用を起こす可能性がありますが、劇的な効果をもたらす薬のようなものと考えます。安易に使用することは厳に慎まなければなりませんが、リスクを怖れて全く使用しないという態度も患者さんの為にならないと思います。
今回の論文内容は平成19年,20年のスタディグループ火曜会で発表しまして、会員からの貴重なご意見をふまえてまとめさせていただきました。

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2008年7月19日 (土)

旅行中の歯のトラブル

 本日午前9時半頃ヨーロッッパにお仕事で出かけられてる患者さんから電話がありました。治療中の前歯の仮歯が外れてしまったとのことでした。応急処置の方法を聞かれましたが、ぴったり合わないと却って大変なことになるので、現地の歯医者を捜して処置してもらったほうがいいとお話ししました。
 2ヶ月前から仮歯の状態で、その間外れるようなこともなく過ごしていらっしゃったので、3週間くらいはそのまま海外に出かけられても大丈夫ではないかと考えたのですが、私の見込み違いでした。海外の生活と言うリスクをもっと重大に考えるべきでした。疲れるでしょうし、ストレスも、そして、パン食の問題もあります。パンは結構硬いのです。自己嫌悪モードの一日でした。もう少し慎重に考えていたら患者さんにご面倒をかけることもなかったろうに。今後もっと注意深くしようと反省するしかできません。
 以前に船旅の途中に歯が痛くなって、困ったと患者さんから聞かされたことがあります。お医者さんは乗船していたけど歯医者はないので痛み止めを飲み続けてしのいだそうです。ふと思い出しました。

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2008年7月10日 (木)

ある患者さんの思いで8

 本日悲報を受けました。それは、ある患者さんのお母様からでした。当院に通院中の息子さんが事故で亡くなったとのことでした。『毎週木曜日に通院していたので、今日も予約してあったかもしれませんが、そんな事情です』と連絡していただきました。そのお母様からの紹介で、遠方から1時間以上かけてこの五月から通院することになった38歳男性で、歯が非常に悪く、一番目立つ前歯が虫歯で黒くなってしかも欠けていました。奥歯も根の部分まで虫歯になっていてどの歯で噛んでいるのだろうという感じでした。
 最初に、どの歯が一番気になりますかと尋ねたところ、前歯の虫歯をなんとかしてほしいと言われましたので、応急処置後に本格的な治療に入りました。歯の悪い患者さんは主訴がある程度解決すると来院が途絶えてしまうことがよくあるのですが、そんなこともなく、時間通りきちんと通院していただいていました。歯並びも悪かったので、相談したところどうせやるなら、かっこ良く仕上げてくださいということなので、面倒な歯列矯正治療を始めたところでした。ただでさえよく噛めないのに、矯正装置が入ったのではどんなに大変かと尋ねたところ、大丈夫ですよと明るく答えてくださいました。その明るい笑顔が思い出されて亡くなった知らせがピンと来ません。ほんとに信じられません。身内の人のつらさが忍ばれます。

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2008年1月27日 (日)

生きる価値

 昨日高齢の女性が付き添いの方と一緒に来院されました。歯肉から出血されたので心配なされたようですが、症状そのものは軽かったので出血された部分の清掃で落ち着きそうでした。
 帰りがけに、「私なんか生きていると周りの者に迷惑をかけるだけで生きている価値がない。ご面倒かけて申し訳有りません……」とおっしゃりました。返す言葉に一瞬困りましたが、「生きることが生きる目的なのではないですか。生きる価値なんて誰に聞いても分かるののではありません」と答えました。「外出するのはお医者さんに行くだけなので、どこにでかける楽しみが有る訳でもなく、口がいやしいもので、おいしくいただくのだけが楽しみで……」とおっしゃると、「おいしそうに食べてもらえるので食事を作る張り合いが有ります」と付き添いの方が言葉を添えました。
 生きる価値なんて分かりません。憲法で、生きる者は健康で文化的な生活を送る権利が保証されていますが、価値となるとどうなのでしょう?価値を定めるのは基準が必要だし、その基準にしても絶対的なものはこの世にはないわけですから、だれにもわからない事柄なのでしょう。 
 とはいうものの、今後ますます高齢化が進み、介護される人の割合が多くなるわけですので地球温暖化の問題同様難しい世の中になりそうです。

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2008年1月14日 (月)

神奈川県歯科医師会第六回学術大会

『個人差を考慮した顎関節症(ブラキシズム)診査票』という演題で神奈川県歯科医師会第六回学術大会で自説を発表してきました。第一回から連続6回臨床的な多方面にわたるオリジナリティあふれる自説を唱えてきましたが、いまだ、歯科界で注目されるなんてことにはなっていません。このまま名もなく一介の歯科医としての人生を送るのではないかと思いますが、たとえ、注目されなくとも、自分の考えを発表する場があることはありがたいことです。発表するからには自分の頭にある考えを整理しなければならないし、他説も確認して自説と比較検討する時間を持たなければならないからです。ただ漠然と考えているのとはよっぽど自説が明確になります。
 今回の発表は顎関節症(ブラキシズム)に関してでありまして、患者さん自身が無意識に行っているくいしばりをどうしたら、気づいてもらうことができるかというものです。実際、この一週間も何人もの患者さんに「唇を閉じて歯をあわせないようにしてください」とお話ししたことか。確認したところ、2割ぐらいの患者さんにお話ししていました。歯がしみるとか、詰め物ははずれたとか、噛むと痛いとか、etc.etc.の主訴の原因のほとんどはご自分で無意識に歯に大きな力をかけていることが原因なのです。これに気づいていただき、止めてもらう行動をとっていただかないことには根本解決にはなりません。このことに歯科医が気づいていないことが多いので、今回発表しました。
 以下のページに簡単に図説しました。目を通してください。
http://www.e-ndc.com/Pages/kuisibari.html

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2007年12月30日 (日)

今年の反省

 昨日午前中診療し、午後から大掃除をして今年の仕事納めとしましたが、今日も診療室に行ってお飾りをかざったり、滑車付きの背の低い棚の材料を買ってきて組み立てました。朝にはテニスをしましたので、結構忙しい一日でした。後7日休みが有るのですが、今年の火曜会の発表の当番が1月29日で、その他にも、青葉区福祉保健センターでのヘルパー向けの講演やら、神奈川県歯科医師会第六回学術大会での発表の準備で例年より気忙しい正月になりそうです。
 それはさておき、今年は歯科医として一番苦手の歯内療法が、講演会を受講したり学会に出席したかいがあって多少進歩した実感があります。インプラントにおいても、以前より難しい症例にも対応できるようになりました。自分のライフワークとして考えていた顎関節症では、日本顎関節学会で自説を発表しましたし、患者さんのデーターベースが増え、自説に対する自信が深まった気がします。
 来年も、来院してくださる患者さんを間違いなく診断し、治療する。そして、できるだけ自分の技量を上げていくという姿勢でやっていこうと思います。地道に、確実に。
 

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2007年12月 9日 (日)

摂食嚥下

 12月9日(日)日曜日の今日も講習会が有りまして、お昼から恵比寿の会場で6時まで勉強してきました。本日のテーマはインプラントでして、今まで自分的には無理と思っている条件でもテクニック的に解決する方法を教わることができ、休日をつぶした価値はあったかなと思いました。それより、12月5日の日本歯科大学リハビリセンター長の菊谷先生の講演の方が感動的でした。
 菊谷先生は摂食嚥下障害を、歯の欠損や入れ歯の不調などが原因の器質的障害、脳血管障害からの麻痺などからの運動障害、認知症などによる機能性咀嚼障害があると言われました。この中で普通歯科医が対応するのは、虫歯や歯周病で失われた歯を修復することで咀嚼障害を回復することしかしていない、言ってみれば、神経筋機構が正常な健康な人しか治していないのではないかと言われました。
 歯科医はこれまで、歯がなくなった健康な人の咀嚼を回復することしか考えていなかったとするとやっぱり、技術者集団と言われても仕方ないことで、それはそれで、難しいことも多いのですが、咀嚼するというのは生きていく上で根源的なことですから、もっとひろい範囲の人たちが噛めることで幸福になれるよう考えていかなければならないと思いました。

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2007年11月20日 (火)

ある患者さんの思いで 7

 この季節になりますと「喪中につき年賀状を差し控えます」との案内状が多々届きます。今日は大正12年生まれの奥様が亡くなったため喪中ですとのお知らせをいただきました。今年の2月に亡くなったそうですが、当歯科クリニックにはその半年前にいらっしていただいていましてお元気そうだったので驚きました。
 最初に来院されたのは67歳だった平成2年でして、13本の歯は治療されていましたが、上下左右28歯すべて残っていました。それから16年間83歳まで一本の歯も抜くことなく歯科的には大きなトラブルもなく、咀嚼に不自由な思いをしなくて過ごせたと思います。当初、歯の磨き方が不十分なのでご注意して差し上げたとの歯科衛生士の指導記録がありますが、2回目以降はまずますの磨き方だったようです。でも、百点満点の完璧にはしていただけなかったようでした。
 ご自身の母親は歯の重要性を認識しておられたようで、幼少の頃の昭和初期の大変な時代でも、歯科医院には連れて行かれたそうでした。そんなことで、ご兄弟姉妹は皆歯が達者とお話しされていたのを覚えています。
 道で会いますといつも微笑んでいただいて、挨拶してくださいました。ご冥福をお祈りいたします。

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2007年11月13日 (火)

抗加齢歯科医学研究会

11/11(日)抗加齢歯科医学研究会講習会に出席してきました。
9人の研究者に40分づつ、ご自分の専門領域の抗加齢に関した最新の情報を披露していただきました。医科の先生のお話を聞く機会は最近なかったので、どのお話も新鮮で興味を引かれるものでした。
お聞きした話を総括すると、バランスのとれた食事をしてストレスを溜めず、適度な運動をすることにより、病的な老化を防ぐことができるというものでした。現代は、清潔な環境により、感染症は減少したが、アレルギー疾患は増加したとか、今の農作物は効率や見た目を重視するため、栄養価が50年前に比べて2割程度になっているとかの怖いお話もありました。旬の物でない人工的な環境で作られた野菜にはビタミンなどの含有が非常に少ないとのことでした。その他、男性ホルモンやメラトニンの抗加齢効果もお聞きして、最近の研究の進歩にも驚きました。

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2007年11月 4日 (日)

言葉の伝達

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 写真は今月6歳になった男子の今年の1月と10月の歯列です。1月のときには上下の歯の間に隙間が有ったのが10月の写真ではなくなっていて上下の歯が接触するようになってます。
 1月に当院に初めて5歳と数ヶ月で来院されたとき、わたしが、『もう5歳なのだからおしゃぶりをするのをやめようよ』と言ったのですが、母親のお話ではその日からピタッと止めたそうです。それまでいくら母親から言われても止めなかったおしゃぶりを私の一言で止められたことを母親から感謝されました。
 自分としても5歳の子供に共感を与えるような接し方ができたのかと感ぜられてうれしく思いました。5歳でおしゃぶりをしていることを、叱っても、脅しても自分から止める気にはなれなかったと思います。子供自身が止めた方が良さそうだと考える材料を与えられたのではないかと思います。向上心をくすぐるきっかけを与えられたことをうれしく思いました。

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2007年9月17日 (月)

多死時代と多歯時代

 9月12日午後7時から「多死時代と多歯時代に備えてー後期高齢者医療を見据えながら」という演題で日本歯科大学助教授 口腔介護・リハビリテーションセンター センター長の菊谷武先生の講演を拝聴しました。
 現在少子化で高齢者の割合が多くなってきていると言われていますが、その高齢者もここ20年には寿命を迎えますので、死亡者が多くなるようです。また、平成17年度には8020(80歳で20歯残存)の達成者は20%を超えましたが、今後増々増加する傾向に有りますので、日本は多死時代と多歯時代を迎えることになるようです。
 個人的には以前介護施設的な老人の入院患者が多い病院が道を挟んで向かいに有ったため、月に何度も往診を頼まれて器具を持って寝たきりの患者さんの歯科治療をしていましたが、その病院が移転してからは依頼されることもなく、ある程度健康レベルの高い方のみの治療に終始していました。今回講演を聴講してあらためて寝たきりの患者さんや、認知症の患者さんが今後多くなるため、それらの方の歯科治療を私たち一般開業歯科医が普通に治療する時代がすぐくるし、そのための準備を考えなければならないことを実感しました。
 今回の講演でショックだったことは、ご自分の歯があっても認知症や運動障害のため、口腔衛生を保たれない患者さんが多くなることが考えられ、それらの患者さんは歯周病や虫歯で困ることになるだろうということでした。また、歯周病菌は誤嚥性肺炎の最大の病因ですから、残存歯数の多い高齢者にとって口腔衛生状態は命に関わる重要要素だとのお話もありました。とはいうものの、自分の歯で摂食嚥下する機能を保つことが、静脈栄養や経管栄養に比べどれほど健康しいては寿命に影響するかとのお話も有りました。
 自分の老後を考える時、脳血管障害などが原因の運動障害や認知症にだけはなりたくないと思いました。

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2007年8月27日 (月)

国際歯内療法学会参加報告

 8月22日から25日までカナダのバンクーバーで行われました国際歯内療法学会(IFEA)に夏休みの休みを利用して参加してきました。昨年はアメリカのサンディアゴで行われた米国歯周病学会(AAP)に出席したのですが、その印象では、まだ使えそうな歯でもインプラントをするために抜いてしまうひどいことをする歯医者達というものでしたが、今回の発表内容とは異なるものでした。インプラントを義手や義足にたとえて、多少問題が有っても、自分の歯を残してもらいたいと思うのが人情だというようなことを言っていたのが(?-こまかい英語のニュアンスまではわかりませんでした)記憶に残りました。歯を抜いてインプラントにするより、保存するのに知恵を絞り自分の技術を向上させるよう努力する姿勢が見られたのには感動しました。
 海外の学会での商品展示は日本にないものがあるので、いつも注意深く見ているのですが、今回も非常に興味深いものがありました。日本からの営業の人もいましたので、話したところ、日本ではアイデアがあっても厚生省の認可をとるのに時間と経費がかかるので無難なものしか作れないそうです。文化や制度が大分異なっているようです。簡単に認可してしまうのは問題が有りますが、良いものを作っていこうという意欲を阻害するような制度はどうかと思いました。

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2007年7月29日 (日)

口腔癌検診担当者研修会

 7月29日(日)午後1時から行われました口腔癌検診担当者研修会に参加して勉強してきました。以前に口腔癌を心配されて来院された患者さんの診断がつかず、大学病院に紹介したところ癌であったことから、勉強しておかなければならないと思っていました。そんなことで、書籍は読んでいたのですが、実際に口腔癌の臨床に携わっている先生の講義は要点を押さえて実例をふまえて解説していただけたので、非常に分かりやすかったです。これで、口腔癌の診断精度が少し上がると思いました。
 ところで、日本人の癌検診の受診率は17%で欧米の70%に比較すると非常に低いと講師の先生はおっしゃっていましたが、意外な数字でした。欧米に比較して、医療が低額で受けられるということがその数字に表れているのではないかと思いましたが、いかがなものなのでしょうか?
 講師の先生方は藤沢市と相模原市で希望者に口腔癌検診を行っていらっしゃるそうですが、1992年から2001年までの10年間の結果では、受診総数2070名で、そのうち口腔癌は3例、前癌病変は27例発見されているそうです。ちなみに私の診療室で見つかった口腔癌は、開業以来19年で初診患者総数10560名中3名でした。
 口腔癌の場合切除療法をしなければならない程放置しますと、食事、発音、顔貌に大きく影響しますので社会復帰が難しくなることがあります。仕事柄、お口の中を見る立場ですので今まで以上に気をつけて確認していきたいと思いました。

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2007年7月16日 (月)

日本顎関節学会

 仙台で開催された日本顎関節学会に出席し、自説を発表しました。以下にその抄録を掲載します。
 午前の最初の順番だったのですが、著名な教授に出席していただき、お褒めの言葉をいただくことができました。「顎関節症のブレークスルーはどこに?」とのシンポジウムもあったので、聴講しましたが、シンポジストご自身の研究範囲の中でしか顎関節症を考えられていないようで、昔から唱えている自説のごり押しのように感じました。看板(タイトル)に偽りありと思いました。
 
 個人差を考慮した顎関節症診査票
 顎関節症は歯科の他の疾患と異なり視覚で判断できる要素が少なく、発症の原因となる多様な要素を整理しなければならないので、問診時には一定の診査票がないと重要な要素を聞き漏らしかねません。専門書にはそれぞれの先生の理論のもとに考案されたものが掲載されていますが、科学的ではあっても詳細すぎるものは開業医の自分の臨床には不向きです。また、自分なりに患者の病態を把握するには、自分が必要と考える診査項目を揃えなくてはなりません。結局、自分の臨床に必要充分な診査票は自分で作るしかないと考え作り始めました。
 診査項目については取捨選択を繰り返してまいりました。最初は現症の把握のため自発痛、開口障害、クリックなどの症状を表す項目を主体のものでしたが、徐々に患者個々の形態的特徴も加えるようになりました。痛みを主訴に来院される患者については、痛みが強ければ重症度が高いと考えていたのですが、激しい痛みを訴えている割には客観的症状が軽いのではないかと推察される症例を経験し、個々の患者の痛覚の感覚閾値も確認しておくべきだと考え、それらと相関関係がありそうな項目を作りました。
 顎関節症の認知行動療法には、無意識に行っている習癖を自覚させる必要が有ります。この診査票は術者が患者の状態を知るためだけでなく、患者自身が自分を知る資料とすることができるようにしたため、カウンセリングがスムーズになりました。

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2007年3月25日 (日)

講演会の聴講

 3月11日(日)18日(日)は興味ある歯科の学術講演会がありましたので聴講してきました。講師の先生方の微に入り細をうがつお仕事ぶりを披露していただき、自身の仕事に対する至らなさを反省させられました。すべての歯を完璧に仕上げるため、多くの手術をやるようですし、審美性の追求のためすぺてセラミックを使うようです。治療期間も数年かかるのがあたりまえで、治療費も高級乗用車が楽に買える程はするようです。
 習熟した技術と知識がないとそこまでできないでしょうから、そういう治療ができる講師の先生方のこれまでの努力は賞賛に値します。しかしながら、すべての患者さんをそのように治療すべきと考えているような姿勢には疑問を感じました。でも、聴講している歯科医のほとんどが、そのような治療をすることをめざすべきと考えているような雰囲気を感じます。歯科医がめざす理想の歯科治療と、歯科医院を訪れる多くの一般の患者さんの求める歯科治療が解離していく可能性も感じさせられました。
 「来院される患者さんが当座歯科のことで困らなくする できれば将来的にも困らなくする」というのが私の歯科治療の根本方針ですが、自分の力量を向上させることで将来的にも困らなくすることをより以上力をいれていきたいと思います。とはいうものの、当座困らなくしてあげると来院されなくなってしまう患者さんがいらっしゃるのが悩みです。

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2007年1月12日 (金)

母親教室

 1月10日青葉区福祉保健セン10日はじめて出産される女性に、ご自身と生まれてくる赤ちゃんに対する歯科的注意事項のお話をしてきました。初産ということでしたが、意外に幅広い年代の方がいっらしゃるように見うけました。
 妊娠中母親の歯が悪くなりやすいのは、母親の歯のカルシウムが溶けて胎児に移行するのではなく、妊娠時のホルモンその他の母体の環境の変化で虫歯が発生しやすくなるからだということから話し始めて、生まれてきた赤ちゃんの歯はいつ頃から歯磨きを始めたらよいかまで、40分かけてお話ししました。ゆびしゃぶりやら、おしゃぶりの扱い方、一歳半検診時での質問数NO1のどうしたら歯磨きをいやがらずにすることができるかについてもお話ししました。最後に、生まれてくる赤ちゃんにとって一番大切なことは、母親がゆったりした気持ちで日々を過ごすことだとお話ししました。何がダメ、かにがダメ、ああもしなければこうもしなければと世間の情報に振り回され、不安な気持ちになるのは避けなければなりません。肝っ玉母さんになってもらいたいものです。

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2006年12月28日 (木)

定年退職と歯のトラブル

 先日差し歯がはずれたり、破折したりしてよく来院されていた60代の患者さんがいらっしゃいました。一年半ぶりの来院でした。それにしては、たいしたトラブルではありません。以前は2〜3ヶ月に一度はいらっしゃるぐらいで、しかも、どうして治してよいやらと頭をかかえるほどであったことが度々でした。近況をお伺いしたところ、定年退職して悠々自適の生活をエンジョイしておられるとのことでした。仕事と言えば、町内会の役員を頼まれてやっておられる程度だそうです。会社勤めの頃は、出張が多く、気が休まることがなかったとおっしゃっていました。不思議なことに、血圧も140/90以下にはなかなか下がらなかったのが、薬も飲まずに120/70そこそこに落ち着いてしまったようです。以前にも、定年退職後に歯周ポケットが驚く程改善された銀行勤めの方もいらっしゃいました。
 仕事は遊びではないからストレスはつきものでしょうが、程々が許される社会でありたいですね。

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2006年12月17日 (日)

松坂投手の八重歯

 レッドソックスとの入団交渉が妥結して、笑顔で会見に臨む松坂投手の映像がテレビに映されていました。しばらくぶりに松坂投手の口元を見たのですが、以前の八重歯が矯正されていました。ちらっとしか見れなかったのですが、八重歯の中心よりで、奥に引っ込んでいた歯を抜いて張り出していた八重歯を引っ込めたように見えました。上の歯の正中線が右にずれていましたし、八重歯だった犬歯の軸が内側に偏りすぎているように見えましたが、以前の笑顔と比べると数段良くなったのではないでしょうか。歯並びにうるさいアメリカに行くのでしたらこのくらいはしないとよくないでしょう。
 ところで、契約金がすごいですね。60億円だそうです。西武球団に支払う移籍金を合計すると松坂投手を獲得するのにレッドソックスは120億円費やしたようです。こんな多額の報酬を選手に与える球団はどんなに太っ腹なのかと思いますが、その反面マイナーの選手(2軍)の待遇はきびしいようで、かつかつの生活をするのがやっとのようです。特殊な能力を有する選手には使い切れない程のお金を出すけれど、どんなに努力しても並の選手には生きていけるだけの報酬しか出さないのがこの社会の掟のようです。ハングリーな2軍の選手は松坂投手の待遇を知らされ、スターになって名声と富を得ようと必死の努力をするようモチベートされ、新たなスター選手が誕生するのでしょう。芸術関係や、タレント関係も同様な社会のようです。
 しかしながら、一般社会に目をやると、普通のことを普通に間違いなくやってくれるのがいい人なのですよね。電車でもバスでも、郵便、宅配などなど、ファインプレーはなくとも確実に仕事をしてくだされば、それに勝ることはありません。地方では、そんな普通の生活が社会環境の変化で崩れつつあると聞きます。何をどうしたらよかわかりませんが、みんなでもっと深く考えなければならないかなと思います。

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2006年12月 8日 (金)

歯が折れた

 ある患者さんから「歯が折れてしまってしみて痛いから緊急に診ていただきたい」との電話がありました。いらっしていただき拝見しましたところ、奥歯の一部が欠けていました。幸い神経(歯髄組織)までには達していないようでしたので、お持ちいただいたかけらを接着して様子をみることにいたしました。
 欠けた場所は、虫歯でもろくなっていた部分ではないので相当な力が加わったに違いないと思い、お聞きしたところ「北朝鮮に日本代表が負けるからよ くやしくてくやしくて」との答えが返ってきました。真夜中のアジア大会のサッカー観戦に熱が入り、知らず知らず、途方もない力でくいしばってしまった結果のようです。
 10年前の ペルーの日本大使公邸占拠・人質事件で身内が人質になり、その間3本の歯を折ってしまった方がいっらっしゃいます。全体的な歯の治療が終了しやっと一年経過したときに、最愛の息子さんが事故でお亡くなりになり、数本の歯が割れて再度全体的に治療をやりなおさなければならなくなった方もいらっしゃいました。
 そんなことから比較すると、サッカー観戦なんてと思いますが、歯を折る程夢中にさせるなんてすごいことです。古代ローマ帝国の皇帝は人気取りのためにコロシアムで剣闘士を戦わせたようですが、現代は企業がスポンサーとなって一般大衆にテレビを通して娯楽を提供していると言えなくもありません。人は勝つか負けるかの勝負に熱中するもののようです。

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2006年10月23日 (月)

一歳半歯科検診

 10月19日は一歳半歯科検診の当番で青葉福祉保健センターに行ってきました。午後1時15分から2時45分までの1時間半に3人の当番歯科医で70数名の子供さんの検診をしました。どういわけか、先週より20名程少なかったようです。
 受け持った20数名で、虫歯のあるお子さんは一人だけでした。寝かしつけるとき、乳首をくわえさせてそのまま寝てしまうとのことでした。他にも数名、虫歯にはなっていませんが、同じような習慣を持つ子供さんがいらっしゃいました。寝ているときには唾液が少なくなるので、虫歯予防の観点からは止めていただきたいとお話ししました。
 母親から最も多い質問は今回も『子供が歯磨きをいやがらないようにするにはどうしたらよいか?』でした。これについては02.5.18付けの『歯磨きされるのをいやがる子を持つお母さんへ』(http://www.e-ndc.com/Pages/norenibuki1.html)に書きました。まずは、歯磨きするという目先の目的より、歯磨きを好きにさせるという将来にわたる目標を優先して、しばらくは歯磨きはおざなりになっても、楽しい雰囲気で、無理なく歯磨きをするようお話ししました。付け加えるに、歯磨きの順序としては、最初は奥歯からやって、敏感な前歯は後回しにしたほうが良いでしょう。
 子供を虐待するような親は歯磨きなどしてやるはずがないから、悲惨な虫歯の持ち主は虐待されている可能性があるということが、小児歯科関係で話題になっていますが、今回の検診ではそのような疑いがある子供さんはいらっしゃいませんでした。もっとも、虐待するような親は検診に連れてくるような面倒はしないでしょう。

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2006年10月 9日 (月)

良い歯の日

 ドラッグストアーなどで配布してます『Meetu(ミーチュ)』という雑誌が11月8日の良い歯の日にちなんで歯科の特集記事(歯のセルフケアあなたはできていますか?)を掲載するということで監修しました。今年の6月の虫歯予防週間のときは『オレンジページ』の同様の特集でも協力しましたので、今年になって2度目です。これら特集記事を任された編集者は本屋に行って歯科関係の本を物色し、当たりをつけて私のところに来たようです。3年前に山海堂から依頼されて苦労して書いた『歯のトラブル知らずになる本』が実践的だというのが、理由のようです。10年以上前に書いた『たまには歯磨き忘れても』のときもそうですが、歯科医として一般の人を啓蒙するという姿勢でなく、皆さんが疑問に思っていることや、歯のトラブルで困らなくする難しくないコツを中心にまとめたつもりなのですが、それが雑誌の編集者に受けているようです。
 歯磨きの方法についてはいろいろなところで話を聞いているにもかかわらずきれいに磨けている人が少ないのは、歯の形やら、歯列の形状が具体的にイメージできていないからだと考え、わかりやすい言葉と図でまとめました。また、甘いものも少なくしてるし、歯磨きもしっかりしているにもかかわらず歯に問題が生ずる人に対して『クレンチング症候群』という名を造語して、どのように対応したら良いか説明しました。今のところ何の反響もありませんが、何人かでも歯を失うことがなくなるようでしたら、苦労の甲斐があったというものです。

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2006年10月 6日 (金)

歯列矯正学会

10月1(日)2(月)と歯列矯正学会に参加してきました。最先端の技法や考え方も、紙面で読むより、実際に行っている人の口から聞くほうがわかりやすく、イメージとして捉え易いものです。難症例に対して、自分が行った工夫とは異なるアプローチで治されている症例発表も興味深く勉強できました。懇親会では、スムーズにことが進まない患者さんの治療についての本音の苦労話も聞けて有意義な二日間でした。
 特筆すべきことは。顎骨の成長が極端に少ないために顔がゆがんでしまっている患者さんの顎骨にねじを埋め込んで、意図的に骨を伸ばすことができるようになったことでしょう。目の下あたりから上顎を伸ばしたり、鳥貌(オトガイがないため鳥のような下顎)の下顎を伸ばしたり、口蓋裂で鼻腔と口腔の境がなくなっている患者さんにその壁を作って、なおかつ、歯列をきれいに並べ変えるなど、動物実験のようなことが実際人で行われていて、成功している症例を見せてもらい驚きました。

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2006年9月28日 (木)

米国歯周病学会報告

 いつものことですが、米国歯周病学会の発表を聞いていますと、何とはなしに違和感を覚えてしまいます。ほとんどの症例が最先端の器具や手法を用いて豪快に美しく仕上がっていまして、地味なケースは出てきません。審美性の追求のため、そこまでやるかというほど、大胆な外科のケースが提示されます。諸事情のため見た目はいまいちですが、長期間保存されたというような報告はないようです。
 建物から食べ物まで、良いものは、大きく、豊かで美しくあらねばならないようです。わびやさび、裏地に凝るような趣向は全く見かけられません。診断も迅速かつ明確で、安全のため様子をみてから判断するのは人気がなさそうです。
 政治の世界では、アフガンやイラクでの失敗からそんな考え方の批判も出始めたようですが、歯科の分野でもそろそろ異なった芽が出てくれるようになるのでしょうか?
 今後のトレンドとしては、バイオテクノロジーの研究成果が臨床応用されてくるような気配を感じました。
 

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2006年9月15日 (金)

米国歯周病学会

 日曜日から米国歯周病学会に参加してきます。前回参加したのは5年前のことでした。前回は10人程の討論会にも出席しました。10人中日本人は3人で、アメリカ人が7名でした。そこで、一枚のX選写真が投影されまして、その歯牙の診断と治療方針が討論されました。印象的だったのは、私を含め日本人歯科医は全員何らかの手段で歯を抜かない治療法を提示したのに対して、アメリカ人歯科医は抜いてブリッジなりインプラントを選択すると主張しました。
 条件の悪い歯を抜かないで治療した場合、どんなにうまく治療しても常に悪化する危険性が伴うので、抜いてしまって、堅固な歯だけ残して治療したほうが再治療の必要性は少なくなります。そうかといって、残せる可能性がある歯を抜く治療法を選択するのは後ろめたい感じがします。
 相撲の世界では、大きな力士が小さな相手を当然のことのように負かすより、小柄な力士がうまく立ち回って自分より体格の勝る相手に勝つことのほうが拍手喝采を浴びます。日本陸軍は参謀志望者に『織田信長の桶狭間の戦』を教科書として、少ない軍勢で賢く勝つ戦術を教育したそうです。われわれのスタディグループの臨床報告でも、保存見込みのない歯を奇跡的とも思える手段で長期に機能させられた発表は高い評価を得られます。
 今日も抜くか抜かないかで悩む症例がありました。結局、抜かない治療方針で努力して、だめだったら抜くという日本人的な結論になりました。ガンであれば、最初に明確な治療方針を立てなければ命が危なくなるのでしょうが、歯の場合は、抜かない治療方針で最終的に抜くことになっても、治療の手間と時間が浪費されるだけだから許してもらえるかなという甘えです。『Too little, too late. 』も歯科では許されるかな?

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2006年8月31日 (木)

ある患者さんの思いで 6

 ある患者さんが58歳で亡くなられたと知らされました。この知らせをいただいた方の紹介で、平成14年秋から翌年にかけて20回程通院していただいた方でした。思慮深い方でしたが、歯並びのについて悩まれていらっしゃいました。単純な治療では満足いただけない状態でしたので、歯列矯正の技法を用いたり、セラミックを応用したりと工夫しまして、かなり満足していただくことができました。この良い状態を維持するために、半年ごとの検診をしてくださるようにお話ししたのですが、問題ないからといらっしていただけませんでした。
 歯科の検診は受けていただけなかったのですが、人間ドックは毎年欠かさなかったようで、昨年末がんの疑いがあると診断され、精密検査の結果膵臓がんであることがわかり、治療が始まったとのことですが、半年程で亡くなったそうです。人間ドックを受けるまでは全く元気だったそうです。せっかく人間ドックでがんが発見されても、結果がこうでは救われません。‘「健康」という病’(米山公啓著 集英社新書)によると人間ドックを受けている人と受けていないか人の寿命には有為さがないとのことです。そういえば、脳ドックで腫瘍が発見されたので手術したところ、後遺症で幼児化してしまい、社会生活ができなくて仕事が続けられなくなった患者さんもいらっしゃいます。
 最近遺伝子の異常により発症する疾患になるかどうかの検査は見合わせたほうが良いとされてきているようです。それは、検査で遺伝子の異常が見つかっても対応しようがないのであれば、いたずらに不安のどん底に引きずり込むだけだからです。当院でも、定期的な検診をお薦めしているのですが、歯科疾患の場合、患者さんにご自分の状況を確認していただくことにより、予防の手だてを考えていただくことができるからです。あわせて、ご自分ではきれいにできない汚れを専門的に落とすことにより、口腔内を健康に保つ目的もあります。
 歯科の検診と、がんを対象とした検診では、その重みも精度も難しさも異なりますが、合わせて考えてみました。冥福をお祈りします。

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2006年8月22日 (火)

ある患者さんの思いで5

 先日平成1年から当方に通院していただいていた大正7年生まれの女性のお孫さんが子供連れでいらっしゃいました。そこで、最近いらっしゃっておられませんが、いかがお過ごしですかとお聞きしたところ、一昨年にお亡くなりになられたとのことでした。
 最初に来院されたときから、上顎は総義歯でして、下顎にはかなり弱ってふらふらの歯が2本あるだけでした。よく噛めないということで、その2本を抜いて入れ歯を作ることを望まれましたが、歯の大切さ、特に下顎は歯がなくなってしまうと非常に不安定になるから保存に努めなければならないと説明したところ、よく理解なされて、ふらふらの歯がしっかりするようになりました。そのおかげで入れ歯自体も落ち着き、よく噛めるようになったと満足していただき、歯磨きの重要性について自ら語るようになられました。
 しかしながら、今から考えると逝去する1〜2年前ぐらいでしょうか、再度歯がぐらついてきましたし、入れ歯が歯肉に食い込んで歯肉に傷がつきやすくなってきました。やはり、歯肉の生命力があっての入れ歯なのでしょう。
 当初、この患者さんは、若いとき、品川で写真屋をしていたご主人と一緒にいらっしゃいまして、ご主人にも総義歯を作らせていただいたのですが、作って1年も経たないうちにご主人は亡くなってしまいました。入れ歯のおかげで死に顔がとても良かったと言われたことを思い出します。ご冥福をお祈りします。

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2006年8月18日 (金)

歯並びと性格

 皇室の紀子さんが出産準備で入院するとのニュースを2,3日前のテレビで見ました。いつもながらの微笑んだ表情で手を振っていたりしてましたが、口元から歯並びが垣間見れました。どうも、上顎の前歯が、内側に傾いているようです。欧米人が描く典型的な日本人の上顎の前歯は前方に反っていることが多いのですが、反対向きになっているようでした。また、お顔を拝見するに、額から鼻までの長さに対して、鼻下からから顎先までの長さが短いようです。
 このことから、紀子さんは唇の筋肉が強く、口をぼーっと開いているタイプでなく、きりっと口を閉じていると推測されます。また、噛み締める筋肉も強そうなので、頑張りのきく、忍耐強い性格だと考えるのですが、いかがなものなのでしょうか?
 人の気持ちは表情に現れます。表情を作る筋肉の強さ加減に歯の向きが影響されます。たとえば、唇の筋肉が弱くていつも口を開いていれば出っ歯になります。きりっとした表情をとる時間が長ければ、それにあった歯列になります。口元の筋肉がでれっとしている時間が長ければ、そのような歯列になります。ですから、歯列を見ればその人の性格が読み取れます。でも、遺伝の要素を加味しなければならないので断言はできません。推測できる程度でしょうか?

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2006年8月 5日 (土)

再生医療の最前線

8月3日バイオテクノロジーの手法を用い、歯牙の再生に取り組んでおられる研究者の講演を聴いてきました。目標としては、歯を失った方から細胞を取り出して人工的な環境で歯牙を再生し、顎の骨に埋められるようにすることだそうです。
 現状、歯の元になりそうな細胞を取り出して、ネズミのお腹に移植して歯らしき組織を作るところまでは名古屋大学で成功しているようです。この手法を発展させて人間の歯を作ったとしても、異種の動物の生体内で作ったものを人間の身体に移植するのは問題があると、講演者は話されてました。しかしながら、取り出した細胞から正常な組織ができる整った環境を人工的に作るのは不可能に近いのではないかとの感想を持ちました。
 チタン性の人工歯の埋め込みでも90%以上の成功率があることを考えると、人の歯と同じ物を作ることにこだわる必要性はあまり高くないと思わざるを得ません。それより、人工歯も埋められなくなった痩せた骨を増殖して安全にインプラントができるようにする研究のほうが当面先決だと考えます。
それにしても、遺伝子工学やら、バイオテクノロジーが発展していく将来の医療はどのようになっていくのでしょうか? どんなに科学が進歩しても、不老不死はありえないでしょうから、人間にとってこの世に悩みや悲しみがなくなることはないでしょう。哲学や、宗教はどう対応するのでしょうか?

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