ある患者さんの思いで-15
先日五反田の宮田歯科に勤務していた頃から30年以上担当させていただいていた患者さんが、急逝されたとのお知らせをいただきました。人は誰しも、永遠の命を有しているわけでは有りませんので、最後を迎える時が来るのはやむをえないことですが、これからゆっくりゆったりした人生を味わいつつ楽しめるような時期にさしかかっているとお話しされていたので本当にお気の毒です。
ご本人は70代になりましたが、子供達はそれぞれ独立した家庭を持ち、お孫さんも生まれて、介護の苦労も無く、受験その他の気苦労も無い、日本の家族の典型的な『さざえさん』時代を迎えつつあったようでした。
几帳面な方でしたが、30数年前に初めてお会いした時はかなり歯周病が進行してまして、数本の歯は抜かなければならないような状態でした。それでも、ご本人の努力で、その後は歯周病は抑えられ、1年に1〜2度の来院程度で歯科的には安定していました。
一ヶ月前に、ご本人から「急病で入院することになり、歯科治療中であったご主人の通院が困難になるかもしれないので、切りの良い状態で一時中断してほしい」との電話連絡がありました。自分のことより、子供やご主人のことを心配・配慮するという母親の鏡のような方だったような気がします。
ご冥福をお祈りいたします。
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