プラシーボ

日本歯科医師会の機関新聞である「日歯広報」に、プラシーボの効果について、この分野での著作の多い浜松医科大学の名誉教授・高田明和先生のコラムが掲載されていました。
一般的にはプラシーボ効果を期待するのはいかさま医者扱いされているような風潮がありますが、西洋医学の最先端を行っている米国でも積極的な応用が研究されているようです。特に、痛みで患者を苦しめる線維筋痛症のように、原因が分からず治療法が確立していない疾患に対しては、砂糖の塊(シュガー・ピル)をプラシーボとして応用されているようです。砂糖そのものが、疾患に対して効果があるとして利用されているのではなく、砂糖の甘さで気持ちが和らぎリラックス効果で痛みが和らぐことを期待しての処方です。
生き物には自然治癒能力が備わっている。その能力は清潔で、安静な状態で高まると常々患者さんにお話ししてますが、気持ちを落ち着かせることが痛みの感覚を和らげる効果があるのでしょう。「人はなぜ治るのか」などの著作で有名なアンドルー・ワイル博士は著作の中で、純粋に西洋医学的に物理的な治療法でさえ、医師がその方法で治ると確信していてそれが患者さんに伝わるから治るのだと述べておられます。西洋医学も、原始的なシャーマニズムも医療の原点は同じようです。自然治癒をどの程度期待するかの違いと、それを意識して治療するかしないかなのだそうです。
痛むはずがない歯の痛みが主訴で来院された患者さんが、結局は線維筋痛症であったことがあります。痛みの理由が分かって落ち着いたと言われました。病気が治った訳ではないのですが、痛みは和らいだそうです。なにげに人間は複雑です。
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